「カワイイ」を入口に、地方を元気にする「地方×女子」ビジネスの第一人者‼
1991年東京生まれ。小6から高校まで読売新聞子ども記者に。慶應義塾大学総合政策学部在学中の2012年に「小布施若者会議」を創設し、2013年ハピキラFACTORYを創業。卒業後は、広告代理店に就職。現在はソニー㈱に転職し、(株)ハピキラFACTORYの社長も勤める「パラレルキャリア女子」。その経験を生かし、2016年経済産業省「兼業・副業を通じた創業・新規事業創出に関する研究会」最年少委員に。北海道天塩町の政策アドバイザーも務める。ハピキラでは、日本郵便とのコラボ「若者リクエスト」プロジェクトで、地方にある魅力的な商材を女性・若者目線でプロデュース・発信中。また昨年で第5回目となった小布施若者会議は、人財ネットワークに成長中。
●幼少~高校時代―
筑波大学附属小学校に合格、教科書のないユニークな授業。
小6~高3まで読売新聞子ども記者に。貴重な著名人の取材体験。
1991年東京生まれ。私は幼い頃は食べることが大好きで、どちらかというと大人しくいつもぼーっとしている性格だったと思います。母方の祖母の出身が長野ということもあり、週末は軽井沢に出かけることも多かったのですが、夜中にカブト虫採集に出掛けるのが一番の楽しみでした(笑。
おけいこごともたくさんやっていました。バイオリンやお琴、ほかにもバレエ(クラシック、モダン)、習字、硬筆、油絵など色々な教室に通いました。英語とそろばんだけはやりたがらなかったと母はいつも言っています(笑。
小学校は筑波大学附属小学校へ。教科書を使わないとてもユニークな授業スタイルで、小学校なのに教科別に専門の先生がズラリ。色々なテーマについて調べたり研究したり、グループでコミュニケーションしながら自分で答えを見つけるスタイルなので、この頃から人と話すことが好きになってきたように思います。「(国語)百人一首のストーリーを自分で漫画にして、クラスメイトに教える」「(社会)旅行先のマンホールデザインを写真に撮って地理や歴史的背景を考える」「(理科) ピーナッツに油分が含まれているということを証明する方法を一つでも多く考える」…などなど、好奇心旺盛な私にはとても心地良い授業内容でした。好きな科目は理科と体育、運動神経は小さい頃から自信があり、運動会の時はクラス代表のリレー選手になったりもしました。苦手な科目は算数、小学校3年生の時に、2桁の掛算のひっ算を授業中に指名され、全く答えられなかったことがショックで、フツウの勉強が苦手なことを自覚したのを覚えています(笑。
小6の時、自分が好きな昆虫や花などの自然の素敵なところを伝えることに強い興味を覚えて、ちょうど知床が世界遺産に登録されたこともあり、読売新聞の子ども記者にエントリーして採用されました。月1回ペースで取材をして記事を纏め、高校3年生までの7年間で70本を超える記事が読売新聞の本紙に掲載されました。印象に残っているのは、世界的に有名なヴァイオリニストのナイジェル・ケネディさんの取材。世界一ビバルディの四季を売り上げたことで、ギネスブックにも載っている方なのですが、本当にカッコいい方で大ファンになり、バイオリンのケースにポスカでサインをしていただきました。また中学生の時、赤坂プリンスホテルの部屋で行った五木寛之さんの取材では、「喪失感の喪失」について教えて頂いたのですが、すごく難しい言葉が多く、なんだかドキドキして思わず泣いてしまったのも覚えていますた(苦笑。
中学もそのまま筑波大学附属中学へ。筑波大はハンドボールが強く、そんな先輩方に憧れもあったのでハンドボール部に入部しました。ここで出会ったチームメイトとは今でも仲良しメンバーです。
高校も同じく筑波大学附属高校へ。ユニークな授業スタイルだけでなく、これからも仲良くしたい友達も沢山できて、とても素敵な学校に通えたことを誇りに思っています。高校では更に自由度が高まり、唯一の校則は「花札と自動二輪は禁止」でした(笑。
大学進学時は、まだ「なりたい自分」が明確になかったので、①イケてる仲間がいて、②好きなことが自由にできて、③なおかつ社会に出た時にきちんと信用してもらえる大学という条件で絞ると「慶應義塾大学のSFC」しかありませんでした。面接では読売新聞の子ども記者を高校生まで続けていたので「新聞記者の論調の偏り、日本メディアの未来…」みたいなことをプレゼンしました(笑。
●大学時代、起業のキッカケー
「小布施のまちづくりインターン」への参加。
「小布施若者会議」を発案し、目玉企画として採用へ!!
こうして通い始めたSFCには予想通りステキな仲間がいて、自由な環境で、いろいろなジャンルの勉強ができる理想の大学でした。自宅から藤沢までの通学は少々面倒でしたが授業にはまじめに出席していました。大学に入学した2010年の夏、大学の先生から「小布施(長野県)のまちづくりインターンに参加してみないか?」と声を掛けていただきました。小布施町は幼い頃から慣れ親しんだ軽井沢に近いこともあったので参加することに…。
地元の方々と交流してみて、人柄や都会にはない暮らしぶりや、ものづくりに掛けるキラキラ輝く思いに魅かれました。そこで同じチームになった現副代表の山本峰華と男子仲間の3人で盛り上がったのは「学生版ダボス会議(=後に小布施若者会議に発展)」。当時欧州の中でも地方だったダボスに、世界トップクラスの若手経営者などが集って開催された会議を真似て、とても環境の良い小布施にヤル気のある若者(35歳以下)が集合して2泊3日で「未来のためのアイデアコンテスト」を開催する、という企画です。「小布施の課題をどう解決するか?」という発想ではどうしてもまちづくりに興味がある人しか関わってもらえないと思ったので、「小布施を舞台に何か面白いことをしてみたい」という考え方に発想を変えたから生まれたアイデアでした。
その後「小布施若者会議」の企画は、発案者の私たちが主催を担当することに…。その後2年の準備期間を経て、大学3年生の夏、忘れもしない2012年9月7日~9日、全国から240名のアツい若者が小布施に大集合してアイデアコンテストを開催、大盛況のアツく充実した3日間でした。
この時、地方活性化のために熱く議論する参加者の目の輝きを見て、「これからは地方が盛り上がる時代が来る」と確信を持ちました。「数年後は、超高級マンションや高級車を所持して暮らす生活ではなく、地方で本物に囲まれながら暮らす方が豊かに感じる時代になるはず」…と。その後も「小布施若者会議」は毎年継続し、昨年で5回目を数える恒例イベントとなっています。また、小布施に毎年集合する全国のアツい若者を中心に、全国9ヶ所に「〇〇若者会議」が拡がるという波及効果も生み出していますし、参加者それぞれが1年毎に成長して集合、将来は各方面で大きなムーブメントを創りだすひとつのネットワークになっていくと思います。
●起業決断の瞬間―
女性の「カワイイ」視点で地方を元気にする仕事に着目。
「恋をしたのは地方」とYahooニュースに起業記事掲載‼
「小布施若者会議」アツいアツい3日間が大盛況に終わると、緊迫感や充実感の反動から、1週間ほどは余韻に浸りながらブラブラする毎日が続きました(苦笑。そんな中で、「次に何をする?(自分の将来)」についても考えるようになりました。これまでは単に子ども新聞の記者の延長で「伝える」という仕事、つまり何となく新聞記者志望と考えていましたが、今回の体験で「アイデア次第で、人を集め、世の中を動かすチカラが生まれるんだ!」ということを強く感じました。
当時、私がひとつ気になっていたことは「小布施若者会議」の女性の参加率が2割程度と低いことでした。どうしたら女性たちに、小布施に興味を持ってもらえるのか?そこで思いついたのが「女性視点のカワイイ」を生かして、地方の商品をプロデュースすることでした。
まずは屋号「ハピキラFACTORY」でのスタート。「ハピキラ」は、中学生の頃書いていたブログ「まゆのハピキラDAYS」に由来しています。ハッピーでキラキラ輝く毎日になったらいいなというブログです(笑。そしてCOMPANYでなくFACTORYにしたのは、ものづくりの現場に主体的に関わっていきたいという思いからでした。
そしてなんと私たちの起業のことがいきなりYahoo!ニュースに「恋したのは地方 『彼氏じゃなくて会社つくる』と決意した女子大生2人組」と掲載。まだ相談・報告していない両親からも、その記事を見てビックリして電話が掛かってきたり…、私自身も今さらのように、ことの重大さに気づき、ただもう前へ進むしかないと思いました…(笑。
●起業後のエピソード―
初仕事はバレンタインギフト「かのこっくり」2千個完売!!
日本郵政を始め様々なコラボプロジェクトを展開中‼
初仕事は、小布施の数々のプロジェクトでご縁のできた「小布施堂」さんでした。100年の歴史を持つ老舗店で「栗鹿ノ子」という砂糖と栗だけでつくった、素朴で美味しい看板商品を、バレンタインギフトとして、都会の女性向けに売ってみることに…。
おいしい中身はそのままにパッケージを可愛いハート型に、ネーミングも、かわいらしく「かのこっくり」に変更しました。情報発信力のある渋谷でバレンタインギフトとして提案することを企画し、販路の交渉も。当初は限定100個程度のつもりでの発案でしたが、実際に動いてみるとハート型の特注包材の最低ロットが2千個だと知り、単にデザインやアイデアだけでなく売り切るための販路開拓も提案に含めました。
商品の発売中には、東京が異例の大雪に見舞われ、お客さんが一人もいなかったり、ドキドキの毎日…。しかし多くの友人がブログやSNS発信で協力してくれたり、新聞やテレビなどメディア掲載のご協力のお陰で、渋谷PARCOを中心に店頭販売し10日間で2000個完売の人気商品になりました。
昨年には、日本郵便さんとハピキラFACTORYのコラボプロジェクトもスタートしました。全国約24千の郵便局で取扱う「ふるさと小包」に、ハピキラが得意とする女性・若者向けのカワイイ視点をプロデュースする企画です。まず「子どもの日」「母の日」向けに4商品をプロデュース、郵便局オリジナルのカワイイパッケージでお届けし、母の日メッセージカードや折ると紙飛行機になるメッセージカードも付けました。お陰さまで大変ご好評を頂けたので、さらに「若者リクエスト」プロジェクトに発展し、「若者が本当に欲しい一次産品」を継続的にプロデュースしています。最近は「双子のサクランボセット」「青森県産リンゴのカットリンゴ」など、東北エリアで限定発売中です。
またご縁が繋がり北海道の天塩町の政策アドバイザーにも就任。地元の宇野牧場様と『飲むパンナコッタ~とろパンナ』をつくりました。天塩町の放牧地で過ごす乳牛の生乳を使った濃厚で贅沢な美味しさで病み付きになります(笑。
羊羹の年間消費量が1位という佐賀県で、羊羹ギフトをプロデュースしたことも。「佐賀に行ったことがない人も、思わず佐賀に行ってみたくなるような、ティータイムセット」がコンセプトで、小城市にある全国でたった1店舗でしか購入できない「幻の小城羊羹」や、嬉野茶を使った国産和紅茶・緑茶をオリジナルの限定BOXに詰めて、3,500円で限定数だけ特別に提供…などなど、たくさんの「地方の特産品×カワイイ女子」プロデュースを手掛けています。
また創業以来多くのメディアにご掲載頂いたお陰で、様々なタイプのお問合せを頂くようになりました。品川女子学院×ハピキラの「プロデューサー講座」、御茶の水美術専門学校×ハピキラ「売れるモノづくり講座」…など実体験から得た独自ノウハウを体系化して講座を企画するお仕事も増えています。
●今後の夢、目標‼
「〇〇なのに社長」オンリーワンの存在を目指したい‼
好きなことを、好きなバランスで! 「ビュッフェキャリア」という働き方を思いっきり楽しむ。
2017年6月27日放送のテレビ番組「ガイアの夜明け~働き方改革シリーズ”若者が磨く新特産品”」で、ハピキラFACTORYが約30分特集されました。今回は約半年間に渡る密着取材でしたので、ハピキラ創業5周年という節目の年に、これまでの私たちの想いや活動を伝える内容としてとてもうれしかったです。。有名なビジネス番組だけに反響も大きくて、いまだに問合せが続いており、大変嬉しく感謝いたしております。
私たちはミレニアル世代と呼ばれる世代で、例えば仕事で120点取れば人生も120点、という考え方の人はあまりいません。“仕事”“家族”“友達”“恋人”それぞれが60~70点ぐらいで、バランスよく頑張って人生全体で120点にしたい……という考え方の人が多いですし、私自身もそう思っています。日常の中でちょこっと自由にお金を使うことに躊躇したくないんです。ハンバーガーにはアボカドとかチーズとかをトッピングしたいし、ホテルでの朝ごはん女子会にも行きたい(笑。
でも、それぞれの人生の項目に費やす時間をバランスよく確保するということは難しいので、「人生配分表」というものを私はつくっています。項目ごとに時間のバランスを決めて、Googleカレンダーを使って日々管理するという形です。ハピキラ25%、ソニー30%、家族8%、友達10%、彼氏7%、その他7%。友達とも遊びたいし、家族だって大事にしたい。「会社を上場させたい」というバリバリした願望は全くなくて、好きなことを、好きなバランスで人生を楽しみたいなと思っています。どちらの仕事もとても楽しいので、「頑張って両立させている」という感覚はあまりありません。ホテルのビュッフェで、カレーもパスタも食べたかったときに両方食べちゃう感じに近いので、個人的には「ビュッフェキャリア」と呼んでいます(笑。
とにかく今は、今やりたいことを思いっきり楽しむ。将来は漠然とですが、「こういう生き方・働き方」もありなんだよと若い人たちに伝える先生になりたいと思っています。最近、研修やセミナーなどで人に「伝える」「教える」という機会を頂くことも多いのですが、人に何か教えるのって楽しいんです。私たちから見ても10代のエネルギーや発想には大きな刺激を受けますし、次の新しい世代の感覚に触れるだけでワクワクします。
長い文章をお読み頂き有難うございました。
▼正能茉優さんの座右の銘 『ローコストで、ハイパーハッピー』
私は、自分が得意なこと、そして好きなことに時間を使うのが好きです。苦手なことをやり続けるのは、あまり得意ではありません(笑。女性は、家事や子育てなど仕事以外にやることが多く、現状では仕事に掛けられる時間は、男性よりも圧倒的に少ない。そんな女性が短い時間の中で一定の成果を出すには、自分が得意なことや好きなことをやったほうがいいと思うんです。苦手なことや嫌いなことに時間を費やしても、コストがかかるばかりで、いい結果を出すのにも時間がかかりますから。
〇㈱ハピキラFACTORY公式サイト
http://www.hapikira.com/
〇ハピキラFACTORYフェイスブックページ
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〇正能茉優FB個人アカウント
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