▼起業家File.036ロナルド・マックファーランドさん  ユニカ㈱取締役



(プロフィール) 株式会社ユニカ 取締役海外営業部長  元いすゞ自動車㈱

1948年生まれ、高校まで米カリフォルニア州サクラメント市で暮らす。サンホセ・加州立大学経営学部卒業後、地元百貨店に勤務しながら日本語を猛勉強、上智大学大学院国際学部へ入学。’80年いすゞ自動車入社、人事・教育研修部を経て、海外サービス部で世界各国に拡大する販売店網の教育研修を担当し80ヶ国以上を訪問指導。アジア・アフリカでは新しい販売会社の起業支援も積極的に行った。’02年ユニカ㈱へ転職、海外営業部で20ヶ国の代理店網を構築し売上3倍に。今後はコンサルタントとして日本と海外企業の「ベストマッチングなGlobal co-operation」を目指す!!


●幼少~就職―
大学まではカリフォルニア州内の生活、欧州卒業旅行で世界の広さを痛感!!

日本への憧れは留学として実現、その後も日本滞在37年に・・・。

 

1948年米国カリフォルニア州都サクラメント市に生まれました。小さい頃からスポーツが大好きで、遊びと言えば近所の友達と年中野球やアメリカンフットボールをすることでした。中学・高校からは、テニスやゴルフの奥深さにも触れました。

大学はサンホセ・カリフォルニア州立大経営学部に進学、この頃から国際ビジネスに関心をもつようになり、卒業旅行は欧州各国(伊、独、仏、ノルウェーなど)を訪問し大きな刺激を受けました。州外に出るのは初体験でしたので、特に欧州の安全な環境や人々の優しさに驚き、世界を舞台に仕事をしたいという夢が膨らんできたのです。’72年に卒業後、サンフランシスコの大手百貨店に就職。副支店長として30人の部下を管理し、営業・購買・在庫・人事労務など重要なポストを任されました。ただ仕事の内容が将来に渡って国内に限定されることが予想できたので、国際ビジネスへの憧れは募るばかりでした。

この頃米国経済の中で、自動車、電気製品などMade in Japanの輸出攻勢が目覚しい時代で、「世界経済の中で日本がNo1になる日が近い!!」と直感し、「日本で本格的に国際ビジネスを勉強して、日本企業に就職しよう!!」と決断しました。その日から日本語の猛勉強を始め、仕事が終わった夜間に日系人のための日本語塾に週2~3回通う日々が1年間続きました。また余り大きな声では言えませんが、サンフランシスコ州立大学の日本語講座に潜り込んで課題レポート用紙を受け取って勉強したりと、必死で取り組んでいました(苦笑。

そして’76年、まず宇都宮の語学学校のビジネス英語講師として渡日し、上智大学大学院の受験に挑戦し、合格したのです。国際学部約100名は、世界各国の学生が集まり授業は全て英語、とても恵まれた環境で勉強することができました。学生時代は赤羽に住み、都内の語学学校での英語講師のアルバイトも続けました。国際学部の授業では特にアジア経済や貿易実務について学び、憧れの日本で多様な国の留学生と異文化交流ができたことは、後のビジネスの大きな財産となりました。


●いすゞ時代

憧れの国際ビジネスの舞台・いすゞ自動車に就職。

世界を飛び回るが、ハイジャック機墜落事故に遭遇…奇跡の生還!!


就職時期が近づくと大学の就職課から企業面接の紹介を受け、いくつかの大手企業の内定をいただきました。しかしどの会社も有名な企業でしたが、本来目標としていた国際ビジネス業務の割合が少なかったので悩んでいました。折角渡日してまで学んだので、そのスキルを使って世界を飛び回りたいという夢があったのです。そんな時偶然にも、友人の紹介で、いすゞ自動車㈱の役員の方とお会いする機会を得ました。この時代の自動車業界は、トヨタ、日産、ホンダなど世界市場進出を加速していた時期で、いすゞ自動車も世界の販売ネットワーク拡大戦略のためグローバル人材を求めていたのです。

そして’80年4月いすゞ自動車へ入社。最初の数年間は人事部能力開発課や教育部で英語を教える毎日でしたが、’86年営業研修センターに移動してからは、まさに「夢の国際ビジネス」の仕事に辿り着けたのです。この頃海外法人向けの営業研修マニュアルなどは未だ有りませんでしたので、自ら進言して作り上げ、世界各国の販売店営業指導に飛び回りました。出張エリアは東南アジア・中東・アフリカ・中南米など実に60ヶ国以上に及びました。また発展途上国では販売店となる法人もなかったため、販売店候補者募集・法人設立など起業支援のお手伝いにまで仕事の範囲は広がってゆきました。1ヶ国1週間程度で4カ国を巡回して帰国するなど、1年の半分以上を海外で過ごす超過密スケジュールな状況でしたが、会社のグローバル化に貢献し、実際に営業成績が予想以上に伸びていたので、とても充実した時代でした。

ところが、そんな中1996年11月23日、出張中に乗り合わせたエチオピア航空961便が、ハイジャック&悲惨な墜落事故に遭遇したのです。175名の乗員・乗客の中で死亡者が125名重傷者多数の大惨事となりました。
 


▲大惨劇事故から5日後の様子    
▲大惨劇事故から5日後の様子    

●墜落事故、転職―
九死に一生を得た航空機墜落事故、軽傷で奇跡の生還。

53歳で転職を決意、まだまだ国際舞台の現場で活躍したい!!

 

ハイジャックと燃料切れによる墜落、グライダー状態で機体が傾きながら左翼から着水し3つに分裂、機内に海水が一瞬にして流れ込んできました。更にパニック状態の乗客は着水前に救命胴衣を膨らませてしまい、脱出の邪魔になったため犠牲者を増やすことにもなったのです。機体の後部以外の胴体部分は急速に沈没するという本当に悲惨な事件でした。

結局、乗員・乗客175名のうち死者は125名、残りのほとんどの方も重傷で、軽傷で済んだのは私を含め2人だけでした。私は、不幸中の幸いの奇跡に、生きていることのありがたさと大切さを痛感し、亡くなった方の分まで希望を持って生きることを強く決意しました。この事件がその後の私の人生観に大きく影響しています。


事件後は海外業務管理部へ移動となり、海外での展示会やパンフレット製作など業務内容も変化して、仕事にダイナミックさを感じなくなってゆきました。そして’01年53歳の時、早期退職プログラムに応募して、転職準備を始めたのです。自分としては、まだまだ国際ビジネスの最前線で活躍したいという想いがあるものの、大企業では管理の仕事を要求されたことも一因です。
  


●ユニカでの活動―

中小企業ならではの幅広い業務を体験。
お陰で20ヶ国以上に信頼できる販売パートナーを構築!!

 

人材紹介会社を通じて、運良くユニカ㈱という先端工具メーカーで世界市場拡大のための人材を募集している会社と出会い、いすゞ自動車で培った自分のノウハウを活かせる会社と思い’02年転職しました。ユニカは当時数十名の小さな会社でしたが、海外営業部に所属し、Webサイトの英語版製作、英文カタログや英文パッケージ、英文契約書の作成など、世界市場に本格進出のためのインフラ整備から始め、欧米に出張して代理店を獲得するための展示会出展や商品プレゼンテーションをダイナミックに展開しました。その結果営業成績は3倍以上に拡大し、海外部門拡充に大きな貢献ができました。

その傍らで海外購買の分野も担当して、中国とベトナムの工場に台湾や欧州から材料を購入したり、日本のマーケットのために海外展示会で商品調達したり、・・・その調達に伴う貿易実務を担当するなど、大企業の組織では体験できなかった幅広い業務を経験することができました。

ユニカでの12年間の業務を通じて、20ヶ国以上に信頼できる国際的な販売ネットワークを作ることができました。また最先端の技術情報を共有したり、スカイプMTGで情報交換する中で、多くのプロジェクトが生まれています。
  

●これからの夢、目標―
大田区観光大使、グローバル人材の育成、…
次のミッション「Global Co-operation」に挑戦したい!!

ユニカでの海外戦略も軌道に乗り、時間的にも精神的にも余裕ができたこともあり、ここ数年社外の様々な活動に携わるようになりました。そのひとつが地元大田区でのボランティア活動です。大田区は羽田空港を抱えてグローバル時代の国際都市化を模索しています。私は「来~る大田区大使(観光大使)」として活動し、今年2月のシンポジウムでは、あの池上彰さんがコーディネータを務めるパネルディスカッションに登壇しました。

また一般社団法人グローバルリーダー協会の立上げにも参画し、グローバル人材育成のための教育研修にも携わっています。これまでいすゞやユニカ時代の現場で実践してきたプログラムがとても役立っています。

そして今後注力していきたいのが「Global Co-operation」構想です。私が国際ビジネスで培ってきたノウハウとネットワークを活用して、日本のスモールビジネスを世界と繋げて「共創的なものづくりのプラットフォーム」を構築してゆきたいのです。技術提携、共同商品開発、その他様々なプロジェクトワークなどを創出することを目的とし、そのプロセスにおいてもライフスタイルや地域情報の共有や異文化の相互理解を通じて、新たな気づきや発見ができるワクワク感のある仕組みづくりを目指しています。

9月2日のめびうす交流会にも参加致しますので、ぜひ気軽にお声を掛けてください。どうぞヨロシクお願いいたします。


▼ロナルド・マックファーランドさんの座右の銘

"I have achieved more that I could possibly dream, so I dream as much as possible now."
〇Facebook個人ID https://www.facebook.com/ronmcf

〇LinkedIn個人ID  http://bmc-enterprise.co.jp/

〇趣味:テニス、ジョギング、旅行、オールディーズ音楽
〇海外渡航経験:81ヶ国
 特に東南アジア、中東、アフリカ、中南米市場には精通
エチオピア航空961便ハイジャック墜落事件(1996.11.23)


▼宜しければフェイスブックページに「いいね!」をお願いいたします!!

株式会社エクサネット

〒355-0021戸田市新曽181-1
℡&Fax 048 - 287 - 3080
お問合せはこちら